エンジニアがお金について本気出して考えてみた

株式投資や節約などについて書きます

暮らしの中のリスク・ヘッジ

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リスク・ヘッジという概念は、株式売買などの投資活動を行っている、あるいは自分の決済でお金を動かせるような高いレイヤーで仕事をしている人以外には、あまり馴染みのないものに思えます。

が、普通に働いて貯金しているだけの夫婦がここにいたとして、彼らにとってもやはりリスク・ヘッジという概念は重要なものです。

例えば夫婦が二人とも同じ会社で働いている、というのは、よほどの大企業で経営が安定しているなら別ですが、その企業が上手く立ちいかなくなった場合のリスクが高まってしまっています。倒産とは言わないまでも、業績悪化によるボーナス減や残業禁止による収入減などが同時に二人に来てしまうのは家計が不安定になる元になります。

また、夫は働いていて妻は家事をする、(またはその逆でもいいのですが)「専業主婦」も夫の収入のみに家計が依存しているため、リスクの高いやり方だと言えるでしょう。

これと同様に、ストック・オプションなどの有利な制度が設けられているわけでもないのに自分の勤務先の株を沢山保有する、または自分の子供が働いている企業に見込みがありそうだから株を買う、というのも不必要にリスクを集中させる行為だと思います。よほど自分の見込みに自身があるなら、もちろんそれでも構わないのですが...

少し話題を変えると、例えばここに一人のアメリカ人男性がいて、日本円で100万円の外貨預金をしているとします。彼はおそらく何らかの意図があって日本円を持っているのでしょう。

さて、彼が行っていることはなんでしょうか?投資でしょうか?貯金でしょうか?

次に、ここに我々と同じ日本人の女性がいるとして、彼女が日本円で100万円の貯金をしているとします。彼女は何らかの思惑があるわけではなく、単に収入の余りを貯金しているだけです。

彼女がやっていることは貯金でしょうか?それとも投資?

同額のお金を日本円で持っている以上、日本円の価値に対して彼らがとっているリスクは同量です。もちろん他の資産(不動産とか…)はそれぞれ持っているかもしれませんが、ここでは100万円の円だけに注目して下さい。

例えばここからドルに対して円が下がれば、必然的にどちらの人の資産も実質的には目減りします。ドル円のレートなんて普通の人の暮らしには関係ない…と思っている方もおられるかもしれませんが、例えばアメリカから輸入されている食品などについてはドル円のレートは商品価格にほぼ直結している、つまり円がドルに対して下がれば売る側は値上げせざるを得ないので、同じ金額を日本円で持っていると「実質的には」貧しくなるのです。

おそらく多くの人にとっては、日本人の彼女がやっていることは「貯金」で、アメリカ人の男性がやっていることは「投資」あるいは「投機」に見えたことでしょう。でも、彼らがとっているリスクは、件の100万円についてだけ言えばほぼ同じなのです。

現実には為替差益にかかる税金などもあるのでいささか暴論ではありますが、彼らの違いは「今現在、日本円で100万円持つことのリスク」を意識しているかどうか、それだけです。

100万の貯金なら大した問題ではないですが、これが1000万くらいを超えるなら、為替リスクを意識した上で持つ通貨の分散を行った方が賢明でしょう。

「日本円で貯金する」というのは「日本円を持っていることのリスクを取る」ということと同義です。もちろん株式投資などのリスクよりは低いですが、それでも一定のリスクを取った行為を自分がしており、そのリスクが集中しすぎた場合には危険である、ということは意識した方がよいでしょう。